TW5 空野灯 資料

ケルベロスブレイドにおける非公式設定資料です

空野・灯 イントロダクション

※アンオフィシャルを含みます

 

東京都の住宅街に生まれる。

父母娘の3人家族。

父親はビルメンテナンス業者の社員。母親は天文学者

愛に溢れる家庭に生まれた灯だったが、1才になる頃にデウスエクスに街を破壊されてしまう。

家も仕事場も失い、避難所で暮らすように。

しかしデウスエクスは代わる代わるに街を襲い、避難所を転々と移り住む生活が始まる。

灯が3才の時にはすでに3回目の避難所生活だった。

 

その年、灯は近所の公園で運命の出会いを果たす。

ボランティアのプリキュアショーを生まれて初めて目にした灯は心を強く揺さぶられた。

それからは本放送も視聴するようになり、灯の心にはいつしかプリキュア達が居着いていた。

避難所では貧困に悩む大人達のいさかいで溢れていた。

優しかった両親も幸せとは程遠い生活の中で心が痩せ細っていた。

灯にとって、プリキュアは心の支えだった。

 

灯が小学校にあがる頃には小さな仮設住宅での生活だった。

避難所のいさかいを見て育った灯には、全ての人間が恐怖の対象に見えていた。

同級生ですら灯は心を開かなかった。

もはや、共感する勇気も、灯にはなかった。

その後も仕事を探す両親に連れられ街を転々とした。

ようやく友人ができそうになると転校。

この頃から両親も不仲になり、灯の目の前でも平然と怒鳴り合うようになっていった。

 

灯が10才の時。

母親は買えなかった誕生日プレゼントの代わりにプリキュアの映画に連れて行った。

スクリーンの中でプリキュアが言う。

どんなときも絶対に諦めない。

その言葉は、何もかもを諦め始めた灯の心をえぐった。

いつしか私はプリキュアの敵になってしまった。

その心を代弁するかのように、スクリーンの中で悪役が叫ぶ。

何をやってもダメだった。誰も自分を認めなかった。こんな世界大嫌いだ。

暴れまわる悪役を、プリキュアは捨て身で飛び込み抱きしめた。

灯は思い出す。

悪すら受け入れる強さ。私はそんな強さに憧れていたと。

気付けば劇場内にはたくさんの光が揺れていた。

プリキュアを応援するミラクルライトの光。

子どもたちの純粋な想いの証だった。

灯はしばらくぶりに涙を落とした。

 

そして灯は中学1年。

再び東京へ戻り。ケルベロス率いる勢力の元、家族はようやく家庭を取り戻そうとしていた。

灯はまだ心を開けずにいた。

友人はいない。灯を友人と思う者もいなかった。

そんなとき、デウスエクスが中学校を襲った。

初めて目の当たりにするデウスエクスにあかりは恐怖のあまり立ち上がることもできず。

目の前でクラスメイト達が死にゆく様をただただ見ていた。

こんなつまらない世界の終わりは、きっとひどくつまらないものだろう。

灯は思った。

しかし灯にはもう一つの現実が見えた。

 

もし、ここにプリキュアがいたら。

 

彼女達ならどんな逆境にも立ち向かい最後まで戦ってくれる。

今すぐにでも人生が終わる時間の中で灯は考えていた。

もしも

自分がケルベロスに覚醒して、プリキュアのように戦えたなら

閉じたはずの心から、希望の光が僅かに火を灯す。

灯は自分が輝いていることに気付く。

いつも持ち歩いていたミラクルライトが眩い光を放っていた。

デウスエクスも異変に気付き灯に襲いかかる。

しかし光の壁に弾き飛ばされていく。

 

灯がミラクルライトを握ると

それはコンパクトサイズのオルゴールに変化した。

オルゴールは独りでに鳴り始め、辺りは不思議な空間へと変貌する。

灯は驚いたまま立ち尽くしていた。

灯の中に声が響く。

プリキュア・イマジネーション・リンカーネイト

 

震える声で叫ぶ。

すると、灯は虹色の光に包まれた。

心が開いていく。

プリキュアのように今日までを過ごしていたら

灯の心にある後悔が、希望の力になり

理想の自分に生まれ変わる。

新たな自分になった灯は、あの日見た少女たちのように華やかな衣装を纏っていた。

今ここに、新たなケルベロス

いや、プリキュアが誕生したのだ。